中国製4×5カメラ DAYI TOYO portable 4×5 について、製品写真、使用感、作例などをお届けします。※ 現在は持ち手のデザインが異なるリニューアル版が ebay で販売されているようです。
中判でシフト
4×5カメラなのにいきなり恐縮ですが、中判フォーマット、広角レンズが使えてシフトができるカメラはないかな。そう思ってネットであちこち探し回っていました。そしたら、ebayで見つけたのが、このDAYI TOYO portable 4×5です。
このカメラは、中国製です。トヨフィールドのバック部分と合体させることで出来上がる、おもしろい発想のカメラです。まず、トヨフィールドのバックを持っていないといけないんですが、幸い私は持っていたので、買ってみました。これにsuper angulon 47mm f5.6xl と6×7のロールフィルムホルダーを付けて使おうという狙いです。
値段は48,633円(2020.8.22 現在)
注文時に、レンズは super angulon 47mm f5.6xl を使いたいと伝えると、そのためのレンズコーンを付けて送ってもらえました。
DAYI TOYO portable 4×5のデザイン
ボディは金属製、グリップは木製です。
レンズ、TOYOのバックはこの製品に含まれません。
黒のマット調ボディカラーです。作りは値段相応といった感じで、あまり高級感はないけれど、ちゃんと写ります。シュナイダーのレンズとDAYI、TOYOのバックが一体化したその姿は、個人的にはけっこう格好いいと思っています。
DAYI TOYO portable 4×5の操作性
横から見たところ。
レンズコーンについてです。これはボディ前側へ飛び出している部分で、レンズを固定しているものです。ヘリコイドになっていて、ピントグラスを見ながら、回してピントを合わせます。ヘリコイドは滑らかに回転します。距離目盛りもついていますが、あまりあてにならないようです。
ボディに小さな水準器がついていますが、これも不正確なようです。自分で正確なものを用意してシューに付けています。
後部。
ボディ内部の様子。
トヨフィールド45AII で super angulon 47mm f5.6xl を使おうとすると、凹みボードで取り付けることになります。その場合、蛇腹が収縮しきって、ほぼライズもフォールもできない状態になります。
この47mmを付けた DAYI TOYO portable 4×5 は、レンズ後群がボディ内に出っ張らず、レンズユニットが上下に動くようになっています。こういう作りなので、ライズやフォールでの撮影が可能です。
シフトの動作は、レンズ横のネジを緩めて、レンズコーンが固定されている板を上下に動かすシンプルなものです。
シフト量は上下に19mmずつです。4×5で使うにはやや少ないかもしれません。
ロールフィルムホルダーを装着したところ。
実際使ってみて
私の場合は、三脚に載せて6×7ロールフィルムで撮影という使い方です。このカメラは撮影のたびにピントグラスを覗いてピント合わせを行うことになるので、中判としてはとても手間がかかるなあという印象です。しかし、ロールフィルムなので4×5に比べて撮影後の現像処理が格段に楽です。
一日でロールフィルム一本撮りきらないこともしばしばです。だけど、得られる画はシフトを効かせた端正なもので、苦労して撮っただけのことはあるなという気がしています。
このカメラで手持ち撮影できるかどうかですが、やってできなくはないけど…と個人的には思います。
けっこう重いです。そして、ピントはレンズコーンの距離目盛りがあやふやなのでレンズコーンに自分で印をつけることになるだろうし、ファインダーはノーファインダーか外付けファインダーです。タフな人が手持ちで撮れば、躍動感のあるダイナミックな画が出来上がるかもしれませんね。
作例
以下、6×7での作例です。
最後に
以上、4×5カメラ DAYI TOYO portable 4×5 レビュー でした。
参考になりましたら幸いです。
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