1987年に発売されたキヤノンのレンズ、EF28mm F2.8について、製品写真や使用感、作例などをお届けします。※発売から30年以上経っていて、生産は終了しています。中古市場でとても安く手に入ります。
EF28mm F2.8
レンズフードは EW-65II
仕様
レンズ構成 | 5群5枚 |
絞り羽枚数 | 5 |
最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.3m |
最大撮影倍率 | 0.13倍 |
フィルター径 | 52mm |
最大径 x 長さ | 67.4mm x 42.5mm |
質量 | 185g |
APS-C機だと、35mm判換算で約45mm相当となります。
ガラスモールド非球面レンズ採用。
キヤノンカメラミュージアムにレンズの構成図などの情報があります。
EF28mm F2.8 – キヤノンカメラミュージアム
デザイン
昨今はレンズが大口径化、大型化しています。持ち運びが大変なこともありますよね。1987年に出たこのレンズは、軽量コンパクトで持ち運びやすいデザインです。気軽に持って出かけられるところがいいですね。
このレンズのマウントは金属製です。その他の部分はプラスチックとガラスから成っています。ピントリングもプラスチック製。ゴムと違って回しにくいということは、とくにありません。
発売からかなり時間が経過していますが、最近のカメラボディともそれほど違和感なくなじみます。
操作性
AFの合焦スピードについては、速くもなく遅くもない感じです。快適に使えます。私は目が悪く、動作はおっとりしたタイプです。その私がマニュアルフォーカスで合わせるより全然速いです。
AFでピントを合わせるとき、モーター音がします。全然気にしていないけれど。動画撮影など時と場合によっては、音が邪魔になることがあるかもしれません。
MFはメカニカルマニュアルフォーカスです。AF/MFの切り替えスイッチをMFにして、ピントリングを回し焦点を合わせます。
最近では、MFでピントリングの回転量を電子的に読み取ってレンズ群を動かし、ピント調節をするというものも出てきていますが(例えばSIGMAの70mm F2.8 DG MACRO)、現時点では、とくにライブビューでのピント合わせにおいて、メカニカルマニュアルフォーカスのほうがピントのヤマが把握しやすいと感じています。
最短撮影距離は、0.3mと少し物足りないかもしれません。昔のレンズなので最新のもののようにはいきません。そのぶん中古価格が安いです。至近距離での撮影にこだわっていないかぎり最短撮影距離はそれほど気にしなくてもいいのかなと思います。
写りについて
フィルム時代のレンズであり、デジタルに最適化されているわけではないので、シャープネスがやや低いです。パソコンの画面で見て楽しむぶんにはとくに気になることはないけれど、例えばEF28mm F2.8 IS USM と見比べたりすると画質は少し落ちるなという印象です。
とはいえきちんと写るので、今でも全然使えるレンズです。
周辺減光も少しありますが、あまり目立ちません。アプリによる補正でなんとかなります。
一つ個人的に気になる点があるのだけど、画像の四隅、ほんとの隅の隅において、描写が極端に甘くなります。ぼんやりします。言われて初めて、ああぼんやりしているなあ、と気付く程度ではあります。
ボケ
複雑なものでなければ、素直にボケます。ただ、樹木など被写体によってはザワつくようです。
絞りを開けて使うときは、ザワつくものは画面に入れないなど、一工夫必要です。
歪曲収差
補正していない画像です。建物の、直線で構成された外壁を3mくらいの距離から撮影しました。少し樽型の収差があります。
少し癖のある歪曲収差だけど、キヤノンのRAW現像ソフトDPPできれいに補正できます。DPPにはこのレンズのレンズデータ(レンズプロファイル)があるからです。
Lightroomには残念ながらこのレンズのレンズプロファイルがありません。厳密に縦と横の線を表現したいとき、Lightroomの手動補正では収差が補正しきれないと感じることがごく稀にあります。
逆光
太陽の光とゴースト。
画面外上に太陽。画面上部にややフレア。
逆光での撮影でもまあまあよく写ります。画面に太陽が入るとフレア、ゴーストがでます。画面に太陽や強い光を入れなければ、それほど問題なく写ります。
太陽を撮影すると目やセンサーを傷めます。良い子は真似しないようにしてください。
EF28mm F2.8 vs EF28mm F2.8 IS USM
しばらくEF28mm F2.8を使っていて性能面でいろいろ気になることが出てきて、EF28mm F2.8 IS USMも買ってしまいました。
購入を迷っている読者の方にアドバイスするとしたら、
・性能面が大切ならEF28mm F2.8 IS USM
・出費を抑えたいならEF28mm F2.8
と答えます。当たり前すぎですが。
古いEF28mm F2.8でもちゃんと写るんですよね。だから、価値観としてレンズの解像力がとても大切というのでなければ、出費を抑えてその価格差のぶんを他へ投資してもいいのではないでしょうか。
作例
ISO100, 1/1600秒 F2.8 開放の描写。
ISO100, 1/1000秒 F2.8 こちらも開放。木の幹のあたりのボケがうるさくなっているかも。
ISO400, 1/3000秒 F8 海。
ISO400, 1/1600秒 F5.6 色鮮やかに写りました。
ISO400, 1/2500秒 F8 郊外。
ISO400, 1/1600秒 F8 マンション。
ISO400, 1/2000秒 F8 道、家々、青空。
ISO400, 1/1000秒 F8 コンビニの駐車場にて。
ISO400, 1/3200秒 F8 28mmは建築物を撮りやすい画角。
ISO400, 1/1600秒 F8 サニー16ルールの条件。
ISO400, 1/800秒 F8 街の風景。
ISO400, 1/1000秒 F8 夕方、街。
ISO400, 1/1600秒 F6.3 雨降り。
ISO400, 1/1000秒 F8 決定的瞬間かも。
ISO400, 1/250秒 F8 階段の影。
ISO400, 1/1500秒 F8 28mmでシティスケープ。
ISO400, 1/1600秒 F8 名古屋にて。
ISO400, 1/2000秒 F8 名古屋にて。どこかで見たことあるようなないような風景。
ISO400, 1/1600秒 F8 JR春日井駅にて。
最後に
以上、キヤノン EF28mm F2.8 レビューでした。
参考になりましたら幸いです。
他にもレンズのレビューを書いています。ぜひご覧ください。
キヤノン EF40mm F2.8 STM レビュー